手作り農場 フィードロット/スワール/バークとは

手作り農場 フィードロット/スワール/バークとは

4月

長雨が続く道東地方

家畜にとっても

人にとってもつらい時期です。

冬の厳しさから解放されて

陽が長くなり

暖かくなりかけていた矢先の

長雨。

道路は今のところ締まっていますが

パドックは全体が緩み泥濘化しています。

衛生的にも厳しい状況です。

 

今年の放牧は

GW以降、4月末から5月半ばにかけて

放牧パドックの状態をみながら

家畜たちを放す予定でいます。

草がしっかり芽吹き

グンッと成長し始めたころが良いかなぁと考えています。

今年は高密度放牧を試すことにしています。

高密度放牧とは

放牧地を複数区画に区切り

一区画での放牧を短期間にして

多頭を放牧し

負荷をかける土地を最小限に区切って

次へ次へとローテーションしていく方法です。

広い地域にバラバラと放牧するのではなく

小さく区切って

土地の状態を見極めながらの放牧ですので

均等に耕起され

土壌への負担を軽減し

土壌再生が可能な方法であると考えています。

牛は草を食べ

羊は地面近くの草を食べ

豚は地面の中の根茎や微生物、昆虫を食べます。

 

長い間、豚を放牧すると

表層土が荒らされ、常に耕起した状態となり

団粒が破壊され、菌根菌の連鎖が断たれ

土壌が回復できなくなるためです。

土壌にとって腐食などの有機物層はとても大事です。

微生物や細菌がしっかりと生息し

有機物を分解し

植物と連携することで保たれます。

土壌環境を作る手伝いをすることが、

この放牧の目的となります。

阿寒川水系及び釧路湿原地域に隣接する

ここ阿寒では水は良好な資源であり

ありがたい存在ではありますが

その反面、治水が課題です。

農場の所在する場所は、

阿寒川沿いの谷部で

尾根からの河川流入があり水が集約する地域の為

常に、湿気を帯び

低湿地帯を形成しています。

その為、雨が降ると増水し

パドック内は水が溜まります。

パドック内に

明渠、スワールを構築するのですが

豚はこれを壊すため効果はあまり望めません。

その都度の補修にはかなりの労力と機械力が必要です。

スワールとは水を流すために作る溝とは考え方が違い

等高線に沿って浅溝をほり

(幅50センチから1メートル程度、深さ30~40センチ程度)

上部からの水の流れを

一時的に貯めて抑える働きをします。

たまった水が自然浸透により

地下へ流れる仕組みで

PermCulture的仕法になります。

今年も好天が続き地面が乾燥してきたころ

作成を予定しています。

 

泥濘対策として

望ましいのは、パドックを休ませること。

完全に使用しないのが望ましいのは承知の上なのですが

経済上(新しいパドックを作るのにフェンスなどの調達が必要)

地積上(そもそも使用できる地域が限られるため)

なかなか許してもらえません。

 

短期的に今すぐできることは

放牧パドックを4~6区分して

休ませながら放牧する

ローテーションの準備と

休耕させたパドックに被覆作物を植える

準備をすることです。

クローバーなど複数種の種を

準備する予定です。

 

長期的にはフィードロットを準備することです。

つづく